2013年1月31日
軍艦島――――正式名称は端島(はしま)という。
周囲をコンクリートで固め高層アパートが乱立する様はまるで戦艦のようである。
文献によるとその様は大正時代に建造された戦艦『土佐』のようだったと。
今ではれっきとした無人島だ。
元々この島は炭鉱の孤島として発見され、豊富な石炭に恵まれたこの島に徐々に人口密度が増え、
最盛期には約5000人の島人が生活していたという―――当時の東京の8倍強の人口だ。
周囲2キロもないこの島には炭鉱施設はもちろんのこと、住居・学校・病院・小売り店・飲食店・寺院・
遊技場といった娯楽施設まであったというからまるで独立した海上都市のようである。
しかし、時代の推移とともに繁栄は長くは続かなかった。
石炭から石油へ―――。1970年代はこの石油に振り回される。
後に軍艦島と呼ばれてしまうその島の活気に陰りが見え初めていた。
【通りすがりの職員T】