今回は、これまでも何度かお話を伺わせて頂いた、武蔵野市立高齢者総合センターの方々も支援してこの度オープンしたいきいきサロン「だいこんサロン」の活動現場に伺ってきた際の模様をお伝え致します。

 

武蔵野市内のいきいきサロン事業は、2016年に事業が開始され、3年目の現在、拠点数も順調に増え20ヵ所となりました。今回お伺いした、だいこんサロンも今年の4月にオープンしたフレッシュな活動拠点ですが、武蔵野市では新たに拠点の開設を検討する団体の方などに対する説明会も継続しております。今後は、周知の機会増と相まって、新たな拠点が増えていく事が予想されます。

 

(だいこんサロンは毎週月曜日に都営アパートの集会室で行われています)

 


 

【ご協力頂いた方】
○公益財団法人武蔵野市福祉公社武蔵野市立高齢者総合センター
在宅介護・地域包括支援センター センター長 柳野 聡 様
在宅介護・地域包括支援センター 生活支援コーディネーター 宮地 紀子 様
○だいこん友の会 代表 神野 カオル 様
【取材場所】
○都営武蔵野八幡町四丁目アパート集会所(武蔵野市八幡町4-18)
【訪問日時】
○平成31年4月15日(月)10:00~

 

■ いきいきサロン事業について
いきいきサロン事業とは、地域住民団体やNPO法人・民間事業者等が概ね65歳以上の高齢者を対象に、5名以上・週1回以上の開催している通いの場で、介護予防・認知症予防のプログラムを含む活動(2時間程度)を行う団体へ自治体が補助・支援を行う事業です。

自治体が補助や活動支援を行う事で、高齢者の社会的孤立感の解消・心身の健康維持・要介護状態の予防・住み慣れた地域での在宅生活の継続支援を図ることを目的しています。サロンの立地は、自宅から歩いて通える距離をコンセプトとしております。

【リンク】武蔵野市健康福祉部いきいきサロン紹介ページ

 

(いきいきサロンの全体パンフレット①)

 

(いきいきサロンの全体パンフレット②)

 

■ 武蔵野市立高齢者総合センターによるサロン運営の支援
武蔵野市内に20ヶ所あるいきいきサロンは、団地集会室や個人宅・営業時間外の店舗等で行われています。活動内容は、毎回体操等の身体を動かす運動や脳トレーニング(音読・計算・ゲーム等)・歌・囲碁将棋等、各いきいきサロンの工夫による多様な活動が行われています。

武蔵野市では、サロンを運営する団体が補助を受けようとする時には、審査を経て基準をクリアーした団体に運営費等の補助を行っております。また、担当エリアの在宅介護・地域包括支援センターの生活支援コーディネーターが、月1回程度、定期的に訪問するなどの運営支援も行っています。

 

■ だいこんサロンは「むさしのの民話」を朗読し健康維持と介護予防を目指す活動です
だいこんサロンの特徴は何と言っても「民話の音読」をコンセプトにしている点です。サロンの運営は、だいこん友の会が行っています。

代表の神野さんは、『高齢者にも、もっと外に出て輝いて欲しい!』という蜷川幸雄氏(彩の国さいたま芸術劇場芸術監督:当時)の呼びかけに応じ、一般公募にて全国から集まった方々によって演じられた、2016年一万人のゴールドシアター(蜷川監督の意を受けたノゾエ征爾氏が脚本・演出を担当)に出演されました。

その後、神野さんはこの公演に参加した経験をヒントに、武蔵野の地でその想いを実践すべくだいこんサロンの運営組織を立上げ、活動をスタートさせました。

だいこんサロンの活動には、地元の八幡町を本拠地に全国で活動している劇団トマト座や、放送作家のはたせいじゅんさんなども参加しており、演劇に携わっている専門家の方々が中心となって運営されています。

 

(だいこんサロンの案内チラシ)

 

【だいこんサロンの概要】
○主催:だいこん友の会
(協力:日本青少年演劇劇団トマト座、放送作家はたせいじゅん氏、武蔵野市芸術文化協会)
○開催日時:毎週月曜日 午前10時~12時(祝日も開催)
○開催場所:都営武蔵野八幡町四丁目アパート集会所(東京都武蔵野市八幡町4-18)
○参加料金:1回200円(見学者無料)
○基本プログラム:
(1)1週間の出来事の報告
(2)トマト座オリジナル健康体操
(3)顔ヨガ
(4)下肢にアプローチした体操
(5)腹式呼吸の練習
(6)発声の練習
(7)滑舌の練習
(8)早口言葉の練習
(9)言葉と表現の練習
(10)休憩
(11)朗読「むさしのの民話」
(12)次回告知

 

【主な当日のプログラム】
●健康体操(トマト座オリジナル体操)
トマト座の団員の方が講師となったオリジナル体操ビデオを会場で放映し、参加者がスクリーンを見ながら一緒になって行うプログラムです。音読の発声練習に通じるウォーミングアップです。

 

(トマト座オリジナル体操の風景)

 

●腹式呼吸の練習/発声練習/活舌練習と早口言葉
知見のあるメンバーの方が考案したメニューに沿って皆で行うプログラムです。音読の準備練習にとどまらず、日常生活の活性化にも役立つ内容が込められたプログラムとなっています。

●むさしのの民話を朗読
民話の音読は、だいこんサロンの柱となるプログラムです。題材となる民話は、むさしの地域にまつわるものを選び、放送作家のはたせいじゅんさんが監修しています。

当日は「井の頭池」と「狐の会話」を題材としました。最初は、各自が振分けられたパートを順番に読み合わせし、回数を重ねるに連れて、感情を込めた音読に移っていく流れで行われました。

 

(むさしのの民話を朗読するプログラム風景)

 

 今後の展望
●地域交流の加速と成果発表としての音読劇の発表会を開催
活動スタート間もないだいこんサロンですが、既に地域テレビ番組からの取材や、市報での広報などが行われており、地域へのサロンの周知が進展しています。今後は、より一層地域交流や多世代交流を加速させて行く計画です。

その一環として、子ども達が描いた挿絵を活用した読み聞かせのイベント開催など、今後の更なる発展が期待できる計画が進行中です。

 

 

文責:中央支部広報公益委員会