今回は、昨年に引き続き「中央区健康福祉まつり」などの地域活動で日頃から親しくさせて頂いている社会福祉法人中央区社会福祉協議会(中央社協)さんへお伺いして、現状取り組まれている事業活動や今後の活動の展望などについてお話を伺ってきました。
昨年の取材時では、中央社協の内部組織であるボランティア・区民活動センターの業務内容などを中心にお話を伺いましたが、今回はこの度纏められた「中央区地域福祉活動計画書)」の内容を通じ、「現在中央区が抱えている課題」やそれに対して「中央社協がどの様に活動していくか」についてお話を聞かせて頂きました。

■取材概要
○取材先:社会福祉法人中央区社会福祉協議会 ボランティア・区民活動センター(所在 中央区八丁堀4-1-5)
○ご協力頂いた方:斎藤事務局長・村上課長
○訪問日:平成27年11月26日(木)
【リンク】中央社協とは?(昨年の取材記録より)

 

■中央区地域福祉活動計画とは?
地域福祉活動計画は、社会福祉法第 109 条の規定に基づく民間組織である社会福祉協議会が活動計画として策定するものであり、「すべての住民」、「地域で福祉活動を行う者」、「福祉事業を経営する者」が相互に協力して、地域福祉の推進を目的とする実践的な活動・行動計画です。
学識経験者や福祉関係者、コミュニティ団体、区内企業などから策定委員を募り、昨年10月から議論を進め、出来上がった素案に地域懇談会やパブリックコメントで広く意見を出してもらいました。
今年8月に区内で行われた懇談会には広報委員も参加してきました。
【リンク】中央区地域福祉活動地域懇談会の模様(今年8月の参加取材記録より)

■中央区ならではの計画にしよう!

地域福祉活動計画は、文字通り地域で行われる計画なので、地域ごとの特性は千差万別です。今回纏められた計画でも「中央区の特徴」が計画策定のスタート地点となっています。

■中央区の特徴と現状及び現在抱えている課題
≪中央区の特徴≫
中央区の特徴についてお話を伺ったお二方もおっしゃっておりましたが、大きく分けて「人口の増加」「企業・事業所の集積」に大別できます。
日本の全体傾向としては、人口減少・過疎化・高齢化・少子化・商店街の衰退…などが地域課題にあげられますが、これらとは一線を画した特徴であり、それらに起因する様々な独特の課題があがってきています。
≪地域の現状≫
中央区の現状と課題は次のような項目に纏められています。
① 定住人口の急激な増加
② 昼間人口の多さ
③ 出生率の急激な増加
④ 高齢世帯や子育て世帯の増加
⑤ マンション居住の増加
⑥ 企業の集積
⑦ オリンピック・パラリンピック選手村の設置
≪現状から見えてくる地域ニーズ≫
① 住民間交流の推進(新旧住民の交流機会の必要性)(マンション内の交流推進)
② 地域交流の推進(企業とのつながりの必要性)(マンション住民⇔既存住民間の交流)
③ 子育て世帯への支援活動
≪地域の課題を踏まえ解決策の方向性≫
① 新しい力(企業・人材)を取込んだ地域活動の活性化
② 顔の見える関係を通じた地域のつながり作り
③ どんな人たちにも寄り添える仕組みづくり(制度内外の活用)

■具体的な中央社協の取り組み
中央社協では、これら課題解決の取り組みとして、アウトリーチを通じた住民や企業との相互交流に重点を置いています。
≪具体的施策≫
① 地域活動に参加しやすい仕組みづくり
地域交流の活性化を支援し、災害時に役立つ互いが顔見知りの関係を作ることが目標です。その活動として「中央区健康福祉まつり」等の協働や、「WEB広報(まちひとサイト)」・「ボランティア情報紙(キャッチボール)」などの広報活動を強化していきます。
② 地域福祉の担い手の発掘・支援
人口の増加に伴い、福祉の担い手のニーズと福祉活動に(初めて)参加したいニーズが増えてきています。それらのマッチングを通じ、地域福祉が自己完結する仕組みを作ります。①の交流支援策に加え、今年度初めて「ボランティア見本市」を中央区役所一階ロビーで開催いたします。ここで、ボランティア活動に興味のある方に対し様々な相談対応を行っていきます。
③ 企業とのタイアップ
企業との交流は、中央区の課題でもあり強みでもあります。ボランティア休暇制度のある企業に対して、福祉活動の情報支援やマッチングを行います。また、災害発生時の住民・企業間連携体制(災害備蓄食料品の供給・一時避難場所の提供等)の構築に取り組んでいきます。
④ 気軽に立ち寄れる居場所・拠点づくり
高齢者の孤立化を防止する目的だけでなく、いつでも誰でもふらっと気軽に立ち寄れる拠点・サロンづくりを進めてきます。
既存のサロンを積極利用することだけでなく、地域にある既存店舗やカフェ等の空き時間を活用(タイムシェア)又は転用可能な空事務所・空店舗への働きかけなどを行っていきます。

大きく分けて以上の4つが具体的活動の柱となっています。これら活動を実現するために、中央社協では、公的支援が整った現行制度以外にも新たに事業や組織を見直して「新しい仕組みを作っていく」事が今回の地域福祉活動の成功への重要なベースと考えています。

以前の取材でも取り上げた「地域での居場所作り」は、中央区以外でも今後共通のテーマとなってくることが予想されます。
これら地域課題に対して、地域の些細な情報や未利用の不動産情報を知る立場にあるまちの不動産事業者は、普段着のままで地域支援できるのではないでしょうか。意外に身近に、きっかけがありそうですね。

虹のメッセージ

【中央区健康福祉まつりでみなさんから頂いた「未来へのかけはし」と一緒に】

【リンク】月刊「キャッチボール」平成27年12月号ダウンロードサイト

 

~誰でも笑顔になれる中央区を目指して~
文責:広報委員会