今回は、若者を中心に地域で「働く事に悩みを抱えている」方々に対して、社会参加~就労支援の活動等を行っているNPO法人のセカンドスペース様(以下敬称略)を訪問。同法人が運営している「ふなばしサポステ」の事業内容及び、セカンドスペースのその他の事業についてお話を伺って参りました。
セカンドスペースは、千葉県で不登校やひきこもり、ニートにより社会参加が出来ていない方々への多面的なサポートを行ってきた団体です。
【ご協力頂いた方】
○NPO法人セカンドスペース 理事長 成瀬 榮子 様
○ 同 所 生活支援員 降屋 守 様
■ 地域若者サポートステーションとは?
地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し、キャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業の就労体験などによる、就労に向けた支援を行っています。
サポステは、厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人、株式会社などが実施しています。
「ふなばしサポステ」は、その船橋地域を拠点とし、受託運営機関としてのセカンドスペースが運営しています。プログラム内容として、ジョブトレーニング・キャリアカウンセリング・心理カウンセリング・職場実習などがあります。
【リンク】厚生労働省:「地域若者サポートステーションって何?」
【リンク】船橋市:「ニート・ひきこもり・若者の就職を支援します!」
■ ふなばしサポステの事業内容
ふなばしサポステは、平成14年に不登校・ひきこもり・ニート当事者のための自助グループとして活動を始めたNPO法人セカンドスペースが運営しています。
事業としては、「ひきこもり」「ニート」のお子さんをお持ちの保護者の方の個別相談から始まり、社会人としてのパソコンやビジネスマナー、職業訓練、コミュニケーション訓練等を通し、就労に向けた様々な訓練が行われています。
【ふなばしサポステの概要】
○住所:千葉県船橋市湊町2-1-2 Y.M.A officeビル5階
○電話番号:047-437-6003(受付・FAX)/047-437-5338(相談受付)
○受付時間:午前9時から午後5時まで(日曜日、月曜日、祝休日、年末年始は休業)
○利用料:無料(厚生労働省委託・船橋市委託事業)
○運営:特定非営利活動法人セカンドスペース(本部:千葉県船橋市湊町2-1-2 Y.M.A officeビル5階)
【就職支援のプログラム】
(1) 職業能力スキルアップ講座
(2) 個別パソコン力アップ講座
(3) ビジネス訓練(電話応対、履歴書の書き方等)
(4) 職場で使うソーシャルスキルトレーニング
(5) 実務経験の場の提供
(6) ハローワーク・ジョブカフェちば等との連携による就労支援
(7) 企業見学・企業内実習の場の提供
(8) 企業とのマッチングの場の提供
(9)就職後の継続支援
【ふなばしサポステのリーフレット】
【リンク】NPO法人セカンドスペース:「ふなばし地域若者サポートステーション」
■ NPO法人セカンドスペースの活動
セカンドスペースの事業内容は、「不登校・ひきこもり・ニート状態の若者に対して学校復帰や社会復帰」の支援になります。
平成15年に特定非営利活動法人セカンドスペースを設立したところから団体としての活動がスタートし、現在は大きく4つの事業が展開されています。
代表の成瀬さんが元々上級教育カウンセラーとして、教育関係の団体やその他様々な法人等で不登校やひきこもりの方々に対するカウンセリングを行っていた実績が団体の活動の源泉となっています。
設立当初は、自助グループとしての運営形態でしたが、相談件数の増加と共に、職員として参加するスタッフの方々の増員もあって、平成25年度より、厚生労働省・千葉県・船橋市の公募による選定を経て厚生労働省及び船橋市委託事業の「ふなばしサポステ」を開所。法人として事業の安定化を実現しています。
その他セカンドスペースでは、千葉県委託事業として子ども・若者に関する電話相談事業(千葉県子ども・若者総合相談センター・ライトハウスちば)をはじめ、社会や仕事に復帰することを目的とした3つの事業を手掛けています。
【セカンドスペースの事業案内(リーフレット)】
■ 「結果ありき」の相談支援
成瀬さんが社会復帰(学校や職場など)の支援活動に初めて関わったのはまだ大学生の頃との事で、既に40年以上のキャリアをお持ちです。活動の切っ掛けになったのは、当時学生アルバイトとして行っていた家庭教師先のお子さんの不登校を解決したことが始まりだそうです。
その後その評判が高まり、就職後も色々なケースで社会復帰の支援活動は続け、現在に至っています。団体設立前には教育関係の社団法人でカウンセラーとして勤務していました。
社会福祉の法律や制度に守られた事業からスタートしたのではなく、当事者本人や親族からの要望(学校復帰・社会復帰)があり開所に至っています。
お話を伺ったふなばしサポステでは、ちょうど利用者の若者がトレーニングの真っ最中(実習・座学)だった事もあり、「ほどよい緊張感」が漂っていました。
ふなばしサポステの卒業生は、一般企業へ週20時間以上の勤務という雇用形態が中心です。パソコン操作を中心に事務全般の業務スキルを指導するプログラムの効果もあり、会計事務所への就職者もいたそうです。また、不動産会社へも多数就職されているそうです。職業先企業はまさに多種多様にわたります。
■ 現在の課題・今後の方向性
セカンドスペースでの事業の一つであった「キャリア開発サンシャイン(就労移行支援事業所)」が、平成28年1月を以って閉鎖されるそうです。
ふなばしサポステの様な若者の社会復帰支援は、制度上15歳から39歳までの健康な方を対象とするため、そこにあてはまらない方からの相談に対応するためサンシャインを開設されたそうですが、マネジメント上の問題から一旦閉鎖することになったそうです。但し、近年中に課題を解決して再度開設する準備を進めています。
今後は、セカンドスペース内で育ってきている経営幹部の方々にそれぞれの事業をバトンタッチしていく事が成瀬さんの目標だとおっしゃっていました。
■ 私たちも参加できる!?
先にお伝えした通り、多くの卒業生が不動産業界へ就職して現在も事務や営業の第一線で活躍されているそうです。これら若者に対して私達が受入先法人として活動に参加していく意義も大きいと思っています。
またセカンドスペースでは、その実績と知名度から大手証券会社・大手人材派遣会社などとタイアップし「職業人講和(企業紹介・仕事内容紹介のセミナー)」や受入れ先企業になっているそうです。また、この活動の模様は、ケーブルTVをはじめとした各種メディアで取り上げられています。ご参考下さい。
(文責:広報委員会)