今回は、中央区八丁堀の鈴木米店が主催するプログラム「江戸浮世絵 木版画摺り体験」の現場を訪れた際の模様をお伝えします。

鈴木米店は、八丁堀の地で創業90年の老舗米穀店が始めた飲食店です。経営者の鈴木さんの想いである「江戸文化を色々な人の知ってもらいたい」との理念からスタートしたプログラムが、江戸浮世絵 木版画摺り体験です。

このワークショップは、風情溢れる三軒長屋の一画に佇む鈴木米店の2階(富士柳の間)のスペースで開催されています。

 

(鈴木さんによる木版画擦りの実演指導風景)

 


 

【ご協力頂いた方】
○鈴木米店有限会社 取締役 鈴木 香 様

【取材場所】
○一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店2階冨士柳の間(東京都中央区八丁堀3-21-1)

【取材日時】
○令和5年9月16日(土)9時30分~10時30分

 

 

■風情溢れる三軒長屋をリノベーション

「江戸浮世絵 木版画摺り体験」を主催する鈴木米店は、八丁堀の地で90年続く

米穀店です。

創業時鈴木米店は、現在の店舗から至近の場所で事業を行っておりましたが、平成17年に米穀店の店舗を一部改装したおしゃれなカフェ風のスタイルで、米穀業併設飲食店を立ち上げました。

その後、同地の再開発事業により現在の場所に本拠地を移転し、新たな店舗として「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」を令和元年リニューアルオープンさせました。

現在の店舗は、元々築90年の木造棟割長屋だった建物で、鈴木さんたちが自らリノベーションの企画や作業に携わり、江戸下町の風情が残るごはん処兼文化交流拠点が完成しました。

ノスタルジーを感じることの出来る店舗には、ランチタイムの来客からディナータイムには美味しいお酒を求める来客が集まり、八丁堀の人気スポットとなっています。

 

●「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」の概要

○経営母体:有限会社鈴木米店

○所在:東京都中央区八丁堀3-21-1

○創業:昭和7年(創立 平成17年1月20日)

○代表者:鈴木一弥 様

○業務内容:飲食業・食料品販売・飲食関連サービス業

○電話・FAX:03-3551-1011

○店舗名:一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店

○営業時間:ランチタイム11時~14時・ディナータイム17時30分~21時

○メニュー:【ランチ】焼魚定食~鮭の仙台味噌漬け~、お弁当テイクアウト/【ディナー】八丁堀ほろ酔いセット、おまかせ料理のコース(要予約)ほか

【リンク】「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」公式WEBサイト

 

(三軒長屋をリノベーションした店舗外観)

(店舗入口に掲示してあるデザインロゴ)

 

 

■ハンドメイドの江戸下町文化交流拠点

「江戸浮世絵 木版画摺り体験」は、鈴木米店の店舗2階にある地域交流拠点(冨士柳の間)で行われています。ワークショップは、店舗の繁忙時期と調整しながら、月間2~3回の不定期開催となります。

ワークショップのない時は、飲食店舗にも使用しますが、特別イベント開催(浮世絵好きが交流するプログラム等)時には、1階と2階の全館をフル活用することもあります。

 

 ●長屋の佇まいを活用したリノベーション

現在の拠点に移転するにあたって、建物1階の店舗や2階の交流スペースは、内外装の改修デザイン、コンセプトの立案は、専門的に必要な部分のサポートを得ながら鈴木さん自らが企画を進め完成に至りました。

3階に上がる階段には、先の戦災の焼け跡が残る柱をそのまま採用したほか、コンセプトに合った調度品を外部から持込んで設置しており、文化遺構として価値のある拠点となっています。

 

 ●「江戸浮世絵の良さを広めたい」想いからワークショップを実施

「江戸浮世絵 木版画摺り体験」は、現在の店舗に入居する際に残置されていた浮世絵に関連した美術品のほか、鈴木さんの御尊母が収集されていたたくさんの工芸品などにインスパイアされ、「木版画擦りを通じて浮世絵の良さ体験してもらう」内容のプログラムになりました。

ワークショップでは、鈴木さんほか講師が、参加者をほほ一対一でフォローする形態のため、一回のプラグラムでは2~3人の定員としています。

参加者との距離感が近いプログラムであり、最後に「楽しかった」と言ってもらえた時が、講師にとって嬉しいひと時です。

 

(もともとの素材を活かしたアンティーク調の2階交流拠点)

(焼け跡の残る柱)

 

 

■当日の模様

今回のワークショップは、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をお題とした江戸浮世絵木版画摺り体験でした。

近年のインバウンド需要では、カスタムメイドのオリジナルツアーの人気が高く、ツアーコーディネートを行う旅行代理店からの問い合わせが増えています。浮世絵や江戸文化に興味のある、国内外から幅広い年代の方々が参加しています。

ワークショップでは、講師による浮世絵木版画の制作過程の説明の後、はがきサイズの浮世絵を摺る体験ができます。世界で一つだけのオリジナル浮世絵がつくれるプログラムです。

 

 「江戸浮世絵 木版画摺り体験」イベント概要

○イベント名称:江戸浮世絵木版画摺り体験

○会場:鈴木米店2階交流スペース「富士柳の間」

○開催日時:週末(不定期)9時30分/11時/13時

○参加費用:ひとり6,000円(税込)

○参加方法:外部サイト(aini)よりエントリーhttps://helloaini.com/travels/40420?prcd=PrjL

○定員:2名

 

(職人も使用するサイズの工房)

(竹刀を素材とした筆と水溶性の染料一式)

(摺師が使用する摺台)

(ワークショップでの製作品例/葛飾北斎「神奈川沖浪裏」)

 

 

 

~誰でも笑顔になれる中央区を目指して~

 

文責:中央支部広報公益委員会