今回は、先月のイベント参加に引き続き3月16日(金曜日)に、中央区日本橋茅場町の平和ビルで開催された、NPO法人キッズドアの学生ボランティアさん達の「卒業発表会」に参加してきた模様をお伝えします。
「ガクボラ」とは学習ボランティアさんのことを指しているそうですが、当日のイベントは、この1年間キッズドアの各学習会で活躍してきた学生ボランティアの皆さんの成果報告会を兼ねた卒業イベントでした。
キッズドアにおける普段の報告会ではスタッフの話が中心ですが、この日の主人公は学生ボランティアさんでした。皆さんのお話を通じ、学習会ごとの特徴の違いや、苦労されたエピソードを伺うことができ、社会へ出ている私たちにも勉強になる体験でした。

≪第一部終了後に皆で撮った全体写真の風景≫

≪第一部終了後に皆で撮った全体写真の風景≫

 


 

【ご協力頂いた方】
○特定非営利活動法人キッズドア 広報担当者様
【取材場所】
○会場:FinGATE KAYABA(東京都中央区日本橋茅場町1-8-1茅場町一丁目平和ビル1階)
【訪問日時】
○平成30年3月16日(金)18:00~20:00

イベント概要
キッズドアの各学習会で活躍している学生ボランティアの皆さんは、学校の卒業に合わせて学習会講師の任務も終える事になります。当日は、そんな学生ボランティアの功績を称え、これまでの活動を労う感謝祭です。
当日は、日頃からキッズドアの活動を支援している団体等の関係者の皆さんも来賓として参加されていましたが、アットホームな雰囲気を失わない素敵な一日となりました。

会場のFinGATE KAYABAは平和不動産株式会社が無料貸出しを行い、また、シチズン時計株式会社の方からは、今回で卒業される学生ボランティアの皆さんへ記念品の贈呈も行われました。
こうしたイベントは毎年行ってきましたが、今年は「感謝祭」の冠を附して、より一層学生ボランティアの方たちの気持ちを前面に打ち出した色合いを強くしました。キッズドアでは、長年の活動の中で、これまで1,000人以上の学生ボランティアの方々が支援に携わってきました。
現在の生徒数も、1,600人以上にのぼっており、「毎日どこかで必ず学習会を行っている」状況です。冒頭、渡辺理事長のあいさつでは、今日のイベント(ガクボラ感謝祭)が一年で一番うれしいと言っておりました。同時に、卒業後は社会人として成長し、社会を引っ張る側になって欲しいとも言っておりました。

〇イベント名:「キッズドア ガクボラ感謝祭/この1年キッズドアの学習会を支えてくださったみなさんへ=Special Thanks!=な気持ちを届ける日」
〇主催:特定非営利活動法人キッズドア
(法人本部:東京都中央区新川2-1-11 八重洲パークビル7階)
〇TEL:03-5244-9990 〇MAIL:info@kidsdoor.net
〇参加費:無料(第2部参加者2,000円/学生無料)
〇定員:100名

●当日のプログラム
東京や東北の各学習会から駆けつけた、学生ボランティア皆さんの活動報告&卒業祝賀会として、2部構成(第一部「報告会」・第2部「交流会」)で開催されました。

≪プログラム≫
<18:00~19:30>
【第一部】「報告会」
1、開会宣言
2、理事長挨拶
3、学習会報告
◆タダゼミ仙台・タダゼミJr.仙台[宗像優さん・錦織広樹さん・近藤真さん]
◆リファインド[川崎和枝さん]
◆板橋区学習会学びⅰプレイス[西田航さん]
◆江戸川区学習会1655勉強café[土田奈々子さん]
◆足立区北部居場所学習会[辻一勢さん・沖杉和香さん]
4、感謝状・記念品贈呈
5、記念撮影
<19:45~20:50>
【第二部】 「交流会」
1.開会
2.乾杯
3.じゃんけん大会
4.記念撮影

≪イベント案内リーフレット①≫

≪イベント案内リーフレット①≫

≪イベント案内リーフレット②≫

≪イベント案内リーフレット②≫

 

第一部「報告会」:学生ボランティアが行った各学習会の活動紹介
◆タダゼミ仙台・タダゼミJr.仙台【宮城県仙台市青葉区】
タダゼミ仙台は、東北事業部の主力事業の一つです。報告会では、「わからないから勉強をしない」を断ち切ることを目標に、生徒たちとの様々なコミュニケ―ションを図るプログラムが伝えられました。
その一つには、頭ごなしに勉強を教えるのではなく、親しい生徒仲間や仲の良い先生と会うために、学習会へ通いその結果勉強が身に付いていくエピソードが紹介されました。
もう一つのタダゼミJr.仙台(対象が中学1・2年生)では、科目により生徒の得意・不得意にバラつきがあるなどの課題解決を目指したプログラムを行っています。
◆リファインド【東京都新宿区四谷】
「学校でもない塾でもない」をコンセプトとした無料の学習支援(勉強場所の提供支援)活動です。高校を中退したなどで、勉強や将来に不安を抱えた子どもたちに、勉強の場所を提供し高校の卒業及び高卒認定試験の合格を目的とした学習会ですが、居場所機能として勉強以外の交流やアクティビティも提供しています。その一つに、教室でのおやつ作りなどがあります。
生徒の中には虐待等家庭環境が平穏ではなかった子も少なからず居ますが、リファインドでの体験を通じ、少し年上の先生から「生きる勇気」を得て、前向きに成長して行く姿を見ることが出来ました。
◆板橋区学習会学びⅰプレイス【東京都板橋区大原・高島平・成増ほか】
平成29年度に板橋区からの受託事業として運営をスタートし、中高生を対象とした自由参加型の学習会です。「来るも来ないも自由」「居場所として来るのも自由」を理念とした運営を行っています。
当初は、とにかくマニュアルなど前例の無い中から学習会を始めた状態だったので、何から手をつければ良いか分からない苦労がありました。しかし、それを逆手に取り「自由にできる」「PR活動を通じ多くの人と知り合える」とのメリットを得ることが出来ました。これまで延100名の生徒が参加し、高校への合格率100%を達成しています。
◆江戸川区学習会1655勉強café【東京都江戸川区一之江・北小岩・平井ほか】
平成28年度に江戸川区からの受託事業として運営をスタートし、区内の共育プラザ6館を会場に行っている中高生を対象とした学習会です。
江戸川区は、自治体として子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく健やかに成長するための取り組みとして、さまざまな学習支援事業を始めています。
ここの学習会では、定期試験対策の学習会をはじめ、「進路相談」「生徒の居場所」なども行っています。その他の取り組みでは、都立高校の推薦入試対策として「集団討論会」も実施しました。
◆足立区北部居場所学習会【東京都足立区北部地区】
「居場所型学習会」をコンセプトとした新しい学習会です。居場所機能に力を入れた学習会で、対象は中学1年~3年生です。
「支援慣れ」「居場所が当たり前の場所」などの課題を抱えながらも、子どもたちに自発性を持たせるプログラムを工夫しました。子どもたちが居場所の在り方を問い改革するアイデアを出し合って、どれが一番良いかを投票する「子ども総選挙」も行い、かなりの盛り上がりを見せました。
子どもたちへの居場所の提供は、実は学生以外も含めた「全てのボランティアの居場所」を提供していたことへの気づきが大きな財産でした。
学習成果の方でも50名の生徒の高校進学率100%を達成しています。

(小)リファインド

≪「リファインド」の学習会案内チラシ≫

≪「リファインド」の学習会案内チラシ≫

 

第一部の最後には、各学習会のメンバーの皆さんから今回卒業する学生ボランティアの方々へ贈られたビデオメッセージの模様が放映されました。
就職を機に、違う地域へ引っ越す方・地元へ帰る方・専門資格を活かした職業へ就く方など、学生ボランティア自身にも様々なターニングポイントが訪れている様子が窺えました。

また、各学習会からの報告会の後には、協力企業のシチズン時計株式会社から学生ボランティアの皆さんへ贈られた、記念品の贈呈式が行われました。

≪タダゼミ仙台・タダゼミJr.仙台の皆さんへの贈呈式の模様≫

≪贈呈式の模様/タダゼミ仙台・タダゼミJr.仙台の皆さん≫

 

学生ボランティア卒業生代表のコメント
第一部の終盤に、今回卒業する学生ボランティアの代表の方がこれまでのボランティア活動を総括するスピーチを行いました。
どの学習会でも、発表にあった様な成功事例ばかりではなく、なかなか上手く行かない事例も数多くあるとの事でした。
しかし、インターネットを活用した、非対面型学習が主流となりつつある現代において、「キッズドアでの学習支援は、生徒と直接触れ合うプログラムであり、ただ勉強を教えるだけでは得られない貴重な体験をすることが出来たが、それはとてもかけがえのないものだった。」とコメントされていました。

第二部「交流会」:学生ボランティアを中心とした立食会ほか
その後の第二部「交流会」では、学生ボランティアの方を中心に、日頃からキッズドアの活動に協力している企業の方々も交えたイベントも行われ、活況を呈したまま当日のガクボラ感謝祭は無事閉幕となりました。

≪第二部の準備では学生ボランティアの皆さんも会場設営を行っていました≫

≪第二部の準備では学生ボランティアの皆さんも会場設営を行っていました≫

 

文責:中央支部広報公益委員会