今回は、昨年に引き続き中央区社会福祉協議会(中央区社協)が昨年からスタートした「おとなりカフェ・ちょこっと相談会」の活動現場に伺った模様をお伝えします。

相談会の運営組織となる地域ささえあい課も新事業と共に昨年創設されて1年が経過しました。組織や事業がどの様な経験を経てきたかを、今回の取材で垣間見たいとの想いを持って伺いました。
この相談会は、昨年の後半から子育て支援活動の運営組織である育フェスCHUOとコラボレーション(名称「保活座談会」)を行っています。取材当日も、就学期前の小さなお子さんを連れ立ったママさんから、会場と併設する敬老館での会合の帰りに立ち寄った年配者の方々まで幅の広い世代の皆さんが一堂に会していました。

 

(一番人気の「生絞りジュース」を作っていらっしゃるところです)

(一番人気の「生絞りジュース」を作っているところです)

 


 

【ご協力頂いた方】
〇社会福祉法人 中央区社会福祉協議会管理部地域ささえあい課 課長 岸 雅典 様
〇育フェスCHUO代表(保活座談会主催) 高橋 まきこ 様
【取材場所】
〇勝どきデイルーム(住所:東京都中央区勝どき1-5-1 1階)
【訪問日時】
〇平成30年7月3日(火)13時~

おとなりカフェ・ちょこっと相談会とは?
おとなりカフェ・ちょこっと相談会は、中央区社協が昨年度から作った地域ささえあい課が実施する地域の居場所づくりの一環です。
活動の中身は、「おとなりカフェでお茶を飲みながら、ちょこっと相談会で気軽に相談してみませんか?」をキャッチフレーズとした、居場所サロンの中で行われる相談会で、区民の皆さんが抱える生活上のちょっとした困りごとを、専門職(社会福祉士)の方が相談支援しています。

中央区では「京橋地域」「日本橋地域」「月島地域」の3地域に分かれており、勝どきエリアは月島地域に該当していますが、各地域によってニーズや文化は異なるため、この1年間に勝どきエリアで培った相談会のノウハウを踏まえ、他の地域の特性を生かした新たな展開が期待されるところです。

【おとなりカフェ・ちょこっと相談会の事業概要】
〇担当部署:中央区社会福祉協議会 地域ささえあい課
〇会場:勝どきデイルーム(勝どき区民館・敬老館が併設されています)
〇開催日時:毎月第1・3土曜日 午後1時~午後4時
毎月第2・4火曜日 午後1時~午後4時
〇その他:参加予約不要/相談料は無料/カフェ利用には100円の実費が必要(お替り自由のドリンクバー)

【リンク】中央区社協ホームページ(おとなりカフェ・ちょこっと相談会の記事)

 

(生絞りオレンジジュースと中央区社協の公式キャラクター「ニジノコ」ちゃん)

(生絞りオレンジジュースと中央区社協の公式キャラクター「ニジノコ」ちゃん)

 

(会場の勝どきデイルーム入口に設置された相談会の案内板)

(会場の勝どきデイルーム入口に設置された相談会の案内板)

 

拡がりを見せている2年目の活動
昨年初めて岸さんにお話を伺った際にも「おとなりカフェ・ちょこっと相談会は、敬老館の1階にあるため高齢者対象の活動と思われがちですが、年代を限定していないので、どなたでも参加OKです!」とのことでしたが、今年はさらに参加者の多世代化進んでいました。
参加者の多世代化は、おとなりカフェ・ちょこっと相談会にお客さんとして参加される方々の年代層が拡がっているだけではなく、他団体が相談会と共催あるいは日程を変えて開催する別のイベントにも見られます。

地域ささえあい課では勝どきデイルームの運用管理も中央区から担っているため、相談会を開催していない空き時間帯を他の地域活動団体に開放しています。自らも地域活動を行っている組織が、建物の管理を行うことで他の活動を行う個人・団体との交流の壁をなくし良好な関係を築いています。

 

(地道な活動の継続と口コミが来場者の層を拡げています)

(地道な活動の継続と口コミが来場者の層を拡げています)

 

(7月の勝どきデイルーム予定表/複数の団体が様々な活動を行っています)

(7月の勝どきデイルーム予定表/複数の団体が様々な活動を行っています)

 

●「保活座談会」の同時開催
保活座談会とおとなりカフェの共催は2年目に入りました。異なるテーマのイベントを同じ空間で行うことでより一層現場の活性化を促しています。
保活座談会とは、中央区に在住のママ・パパ、及びプレママの方々が抱える、産後から乳幼児期にかけての保育や、その後ママの復職期までの悩み事に関する相談支援・情報提供を行う小さな交流会です。
児童福祉に関する制度の概要説明などにも触れていますが、区内保育園の待機事情や、就学期(小学校入学)以後の子育てに関する地域の現状についてのリアルな情報提供なども行われ、当日も熱気のある意見交換がなされていました。

リンク保活座談会の案内ページ

 

(保活座談会のリーフレット)

(保活座談会のリーフレット)

 

(保活座談会の模様)

(保活座談会の模様)

 

●勝どき枝豆プロジェクト
中央区の地域コミュニティ担い手養成塾の卒業生の方が、勝どきデイルームのとなりにある「グロースリンクかちどき(子育て支援施設)」と共催で始めたプロジェクトです。枝豆づくりを通じて共助の社会が醸成されることを活動目的としています。
このプロジェクト専用の耕作地がグロースリンクかちどきの敷地内の共用部にあり(レンタルガーデンの一部を確保)、そこで枝豆を栽培しています。
また勝どきデイルームを会場とし、福島県の農家の方を講師に招いた地域交流イベント(農業についての座談会)なども開催しています。

(都会の高層ビル群の一角に佇む枝豆の専用耕作地です)

(都会の高層ビル群の一角に佇む枝豆の専用耕作地です)

 

現在感じている課題は?
昨年からの地道な活動実績が周囲に認知されつつあり、その他口コミの効果も手伝い本来の目的の一つである「地域課題の拾い込み(ニーズキャッチ)」についてはかなり成果を上げています。
その成果の一方で、ニーズの多様化に直面する機会も増えてきており、問題が複雑化する前段階で情報を共有できる仕組み作りが必要であると考えています。地域ささえあい課では、サポートする内部資源に限界があるため、複雑化するニーズ・広域化するニーズに対してどう向き合うかが現在の課題と考えています。

今後の目標と展望
この様に、ニーズの多様化に伴う支援機能の受け皿として、中央区社協ではこの度「ささえあいサポーター養成講座」をスタートさせます。
この講座には、『身近な地域で不安や悩みを抱えた人たちに気付き、必要な支援へとつなげる感性を持つ「ささえあいサポーター」の養成』を目的としており、決して専門職のエキスパートではなく普通に地域で生活・在職する人達が、地域の課題の発見者になって欲しい想いがあります。

今後この活動が軌道に乗れば、ささえあいサポーターを通じ、課題を初動でタイムリーに支援できる機能を作ることが出来ます。今年度は、中央区内の3地域(京橋・日本橋・月島)で養成講座を実施しますが、将来的にはもっと多くの細かい地域単位でサポーターが育つことを目指しています。
 

(ささえあいサポーター養成講座のリーフレット表面)

(ささえあいサポーター養成講座のリーフレット表面)

 

(ささえあいサポーター養成講座のリーフレット裏面)

(ささえあいサポーター養成講座のリーフレット裏面)

 

みんなで「働きやすく、住みやすい、誰でも笑顔になれる中央区」にしませんか?

 

文責:中央支部広報公益委員会