今回は、中央区内を拠点に「保活(親子のための子育て)」支援活動を実施している保活座談会の現場位に伺ってきた際の模様をお伝えします。
当日の会場は、これまで何度も取材で訪れている勝どきデイルームでした。勝どきデイルームは、中央区社協の地域ささえあい課が管理を行っていますが、この様に区民の生活を支援する地域活動団体に対して、広く会場の提供を実施しています。

保活という言葉は一般的になりつつあるため、耳にしたことがある方も多いと思いますが、少子高齢化と女性の社会進出、また多様な世帯形成などの課題が重なり合って進んでいる現在の日本では、大きな社会的テーマとなっています。

 

(湊地区での保活座談会/高橋さんの講義の模様)

(湊地区での保活座談会/高橋さんの講義の模様)

 


 

【ご協力頂いた方】
○保活座談会・育フェスCHUO 代表 高橋 まき子 様
【取材場所】
①優っくり村中央湊(住所:東京都中央区湊2-16-23 1階)
②勝どきデイルーム(住所:東京都中央区勝どき1-5-1 1階)
【訪問日時】
①平成30年9月13日(木)10時30分~
②平成30年10月9日(火)13時~

■ 保活座談会とは?
中央区に在住のママ・パパ、プレママの方などを対象とした、出産・育児・子育てにおける不安や疑問を共有できる相互交流の居場所サロン兼勉強会です。
主に、中央区の認可保育園入園を希望されるご家族との話し合いの場・情報提供の場として開催されています。

参加者は各回10組程度とし、近い距離感で話しやすい場の雰囲気を保てるよう注力していています。待機児童の多い勝どき、人形町周辺などにて不定期開催しています。勝どき会場は、おとなりカフェが開催される勝どきデイルームを使用しています。
●イベント概要
○運営主体:保活座談会(高橋さんの個人主催)
○活動開始時期:2015年
○開催場所:中央区内(勝どき地区・日本橋地区・京橋地区など)
○開催日:不定期(各地区概ね年間3回程度の開催)
○参加費:300円~500円(拠点によって変動・初めての方の場合)

【リンク】保活座談会活動案内公式ページ

【リンク】保活座談会中央区tokyo FBページ

(保活座談会の案内チラシ/7月度開催時のもの)

(保活座談会の案内チラシ/7月度開催時のもの)

 

■「保活の不安を話し合える場所がない」との声がきっかけ
保活座談会の活動を始めたきっかけは、区内の子育て支援施設(グロースリンク勝どき)に寄せられた保護者の方からの保活(保育園の入園活動)に対する不安の声がはじまりでした。

高橋さんが、中央区子ども子育て会議に第1期区民委員として関わった経緯から、講師の依頼を受け、保活についての講義をはじめたことが、その後の保活座談会のスタイルになりました。
2015年の活動開始から、3年間で延べ150家族が参加されましたが、その後、勝どき以外のエリアからの要望を受け、現在は個人にて主催し、中央区内各地で保活座談会を開催されています。

■ 保活座談会当日の模様
●湊(京橋地区)の模様・・・9月13日(木)開催
当日は湊地区での開催でしたが、保活激戦区といわれる隅田川を挟んだ月島地区に住んでいる方も何名か来場され、各地区別の待機状況の違いや、慣らし保育に関する事例紹介など、非常に内容の濃い話題が出ていました。

(当日の模様/湊地区)

(当日の模様/湊地区)

 

●勝どき地区の模様・・・10月9日(火)開催
勝どき地区での座談会は、認可保育園の次年度(4月入園)申込がせまる10月上旬の開催だったため、沢山の方が来場されていました。
来場者数の凄さだけでなく、意見交換での質問内容もより現実的なテーマが多く出ていました。

(当日の模様/勝どき地区①「講義風景」)

(当日の模様/勝どき地区①「講義風景」)

 

(当日の模様/勝どき地区②「親子の休憩スペース」)

(当日の模様/勝どき地区②「親子の休憩スペース」)

 

■ 運営者が感じる地域別(湊地区と勝どき地区)の特徴
湊地区では、本年度保活座談会を2回ほど試行的に開催しましたが、保育施設の整備と待機児童数のバランスの関係などの要因で、現状ではニーズが低いエリアであることもあり、来場者が多くはありません。

一方で、勝どき地区においては、今夏以降参加定員に対し来場希望者が超過し、キャンセル待ちが続いています。
また、日本橋地区は特徴的で、保活についてご自身で事前にかなり細かく調べ、活動している方の参加が多い印象です。これは毎年の傾向で、同地区では非常に深い質問や意見交換が行われる結果となっています。
毎回参加者の方は異なりますが、地域により雰囲気や話題も異なるのが興味深い点となっております。
 

■今後の展望と課題
●育フェスCHUOの開催
育フェスCHUOとは、子ども・子育て支援法に基づいて平成25年7月に区の附属機関として設置された「中央区子ども・子育て会議」で出会った委員の方々が中心となって、実践的な子育て支援活動を行うために立ち上げた任意組織です。代表は、保活座談会と同じく高橋さんが務めていらっしゃいます。
主な活動として、毎年11月に中央区内で保活の実情や親子との交流の場としてフェアを開催しています。育フェスCHUOは2015に第一回が開催されましたので、今回で4回目の開催となります。

今年からは同イベント内で「子育てサポーター座談会」を実施することになりました。これは、妊娠中や子育てをしているご家庭から寄せられた、小学校生活まで含めた情報を求める声に応えるための発展的な座談会です。

今では育フェスCHUOが、保活座談会のOBOG会的な役割も担っていますが、代表の高橋さんは『同じように子育てサポーター座談会も、保活座談会の次のステージの受け皿として機能していけたらと思っています。』とお話されていました。
今年の育フェスCHUOは、11月3日(土)の午前10時から中央区立有馬小学校体育館にて開催されます。

(育フェスCHUO2018の案内チラシ①)

(育フェスCHUO2018の案内チラシ①)

 

(育フェスCHUO2018の案内チラシ②)

(育フェスCHUO2018の案内チラシ②)

 

●リアルな声を聞ける場を確保する難しさ
様々な居場所などの地域活動では、しばしばイベントを開催する拠点(会場)の確保が大変だとの声を聴きますが、保活座談会でも同様の課題を持っています。
中央区は、京橋地区・月島地区・日本橋地区などの区分けがされることが多いですが、保活座談会に参加されるご家庭から寄せられるニーズには「保活を行っている方のリアルな声を聴きたい」というものがあります。

中央区でも地域によって保活にまつわる環境は違っており、区内の様々な地区での保活座談会開催を要望する声が多い模様です。
保活座談会の活動も4年目を迎え、その活動が広く知られるようになってきた効果により、地域の様々な方の支援を受けて、活動を開催するスペースを確保されています。

(勝どき地区の保活座談会はおとなりカフェと同時開催でした)

(勝どき地区の保活座談会はおとなりカフェと同時開催でした)

 

 

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文責:中央支部広報公益委員会