今回は、中央区都市整備部住宅課・福祉保健部地域福祉課を訪問し、昨年の10月1日から認定制度がスタートした「居住サポート住宅」の概要と、本制度の推進を支援する様々な「補助制度」について詳しくお話を伺ってきた模様をお伝えします。
高齢者や障害者をはじめ、ひとり親世帯や生活に困難を抱える方など、住宅の確保に特に配慮を要する方々(住宅確保要配慮者)の住まいの確保が社会的な課題となっています。
中央区では、こうした方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、民間賃貸住宅を活用した「居住サポート住宅」の普及に力を入れています。
宅地建物取引業者や不動産賃貸業を行う大家さんにとっても、所有・管理する物件の空室対策や社会貢献、そして補助金活用に繋がる大変重要な制度です。その中身についてレポートいたします。
【ご協力頂いた方】
○中央区都市整備部住宅課計画指導係 係長 荒川剛様、貞尾健人様
○中央区福祉保健部地域福祉課福祉総合相談係 係長 土肥麻子様、須永一輝様
【取材場所】
○中央区役所 本庁舎地下1階 第11会議室(東京都中央区築地一丁目1番1号)
【取材日時】
○令和8年6月4日(木) 13時30分~
■「居住サポート住宅」とは?
●住宅確保と居住支援
「居住サポート住宅」とは、住宅確保要配慮者の入居や生活を支援するための住宅です。
令和6年6月に「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(住宅セーフティネット法)が改正され、居住サポート住宅(居住安定援助賃貸住宅)が創設されました。
居住サポート住宅では、居住支援法人等が賃貸人と連携し、入居者である住宅確保要配慮者に対して、入居中の居住サポート(安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ等)を行います。
●居住サポート住宅認定制度
住宅セーフティネット法に基づき、居住サポート住宅事業に関する計画について、福祉事務所設置自治体の長が認定(居住安定援助計画の認定)する制度です。
運営する事業者は、認定住宅の登録をすることで、「認定家賃債務保証業者の活用」や「生活保護受給者が入居する場合の住宅扶助費(家賃)の特例」や、「改修費・家賃低廉化等の補助・融資を利用」など、様々な支援を受けることができます。
●居住支援法人による入居への生活のサポート
住宅が認定されるには、大きく分けて次の2つの基準があります。
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住宅に関する基準(ハード面) |
一定の床面積や、安全に配慮された構造・設備(手すりの設置など)を満たしていること。 |
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サポートに関する基準(ソフト面) |
福祉サービスや居住支援法人による定期的な見守り、相談体制が構築されていること。 |
住宅に関する基準では、入居者となる要配慮者が安心して生活できるため、耐震性を有している構造や、設備に関する基準が設けられています。
また、家賃が近傍同種の一般的な住宅と同様の水準であることも求められており、入居者に対する経済面も配慮した基準となっています。
サポートに関する基準では、入居者に対する3つの支援(安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ)が備わっていることが求められています。
大家さんを含む住宅を運営する事業者が、居住支援法人と提携し、デバイス機器を活用した安否確認や、担当者の訪問による人的見守りの実施、入居者の属性に応じた福祉機関とネットワークを作り、具体的な福祉サービスの提供に繋げる体制が基準となっています。
住宅の整備基準と専門職との連携などのハードルがある制度ですが、居住サポート住宅の整備を切っ掛けにした地域連携が構築されています。
居住サポート住宅の制度に先行し、同じく「住宅セーフティネット法」に基づき2017年10月にスタートした『セーフティネット住宅』は、現在全国で128,931件*¹の登録(総戸数968,997戸*¹)の実績となっています。
住宅の普及に連動して、居住支援法人の登録も増加しており、現在(令和8年3月31日付け)全国で1,167件*²の登録があります(東京都指定の中央区に所在する法人は3件*³)。
居住サポート住宅では、入居者に対する入居後のサポートを充実させることで、住宅における事故のない安全な生活環境の継続が可能となり、住宅事業者にも安定した事業運営を継続できる仕組みが期待されています。
【リンク】居住サポート住宅情報提供システム(一般社団法人 すまいづくりまちづくりセンター連合会WEBサイト)
*¹出展:セーフティネット住宅情報提供システム(一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合)
*²出展:国土交通省WEBサイト
*³出展:東京都住宅政策本部WEBサイト
■補助制度の概要
居住サポート住宅の登録制度には、家賃低廉化など要配慮者の入居を促進する基準だけでなく、住宅の整備を行う個人又は法人の貸主(運営事業者)を経済面で支援する様々な仕組があります。
●様々な住宅の整備を促進する補助制度の一覧
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補助 |
補助対象 |
補助率等 |
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● 改修費に係る補助 |
耐震・バリアフリー改修 等 |
1. 国直接補助:1/3(国費限度額:50万円/戸) 2. 地方自治体を通じた補助:国 1/3 + 地方 1/3(国費限度額:50万円/戸)等 |
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● 家賃低廉化補助 |
原則月収 15.8 万円以下の世帯 等 |
地方自治体を通じた補助:国 1/2 + 地方 1/2(国費限度額:2万円/戸・月)等 |
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● 家賃債務保証等の低廉化に係る補助 |
原則月収 15.8 万円以下の世帯 等 |
地方自治体を通じた補助:国 1/2 + 地方 1/2(国費限度額:3万円/戸・月)等 |
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● 住替えに係る補助 |
原則月収 15.8 万円以下の世帯 等 |
地方自治体を通じた補助:国 1/2 + 地方 1/2(国費限度額:5万円/戸・月)等 |
●その他入居促進、家賃滞納リスク軽減のための支援
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〇認定家賃債務保証業者に認定された家賃債務保証業者は、居住サポート住宅に入居する 要配慮者の家賃債務保証を原則断りません。 |
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〇居住サポート住宅に生活保護受給者が入居する場合、原則として自治体から家主や管理会社等に 住居扶助費(家賃)や、生活扶助費(共益費)が代理納付されます。 |
■中央区が行う補助事業
中央区では、家賃低廉化補助に加えて独自に居住サポート住宅への補助事業を行っています。要件に該当した住宅を運営する事業者又は入居者に対して、中央区が規定の補助額を交付します。
●居住サポート住宅に対する家賃低廉化補助
一定所得以下の入居者に対する家賃減額費用の補助を行います。
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対象者 |
区内の居住サポート住宅における賃貸人 |
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補助上限額 |
対象となる住戸一戸当たり月額7万円(上限) |
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補助期間 |
居住安定援助賃貸住宅として管理し、補助金の交付を開始してから10年間(補助金の総額が840万円を超えない範囲で区長の定める期間) |
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補助要件 |
(1)区内の居住安定援助賃貸住宅の賃貸人であること。 (2)暴力団関係者でないこと。 (3)居住安定援助賃貸住宅に入居する者は、一定の要件に該当する者であること。(基準以下の世帯年収、高齢者世帯、障害者世帯 など) |
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募集期間 |
随時受け付け |
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問い合わせ先 |
都市整備部住宅課計画指導係 (ハードについて) 〒104-8404 築地一丁目1番1号 本庁舎5階 電話:03-3546-5466 ファクス:03-3546-9551 |
●居住サポート住宅におけるサポート費用・死亡保険料助成
入居者の生活支援(ソフト面)に対する補助を行います。
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1.サポート費用補助 |
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対象者 |
区内の居住サポート住宅入居者 |
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補助対象となる費用 |
居住サポート(安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ)実施に係る費用 |
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補助上限額 |
1戸あたり月額1万5千円(上限) |
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2.死亡保険料補助 |
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対象者 |
区内の居住サポート住宅における賃貸人又は入居者 |
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補助対象となる費用 |
入居者の死亡が原因で発生した、残存家財の整理費用、居室内修繕費用、空き家となったことによる逸失家賃のいずれかを補償として含んでいる保険に係る保険料。 |
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対象となる入居者 |
60歳以上の方のみで構成する世帯 |
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補助上限額 |
1戸あたり年額 6千円(上限) |
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申請受付開始予定 |
令和9年4月から(令和9年度予算の審議・議決後に実施) |
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問い合わせ先 |
福祉保健部地域福祉課福祉総合相談係 〒104-8404 築地一丁目1番1号本庁舎地下1階 電話:03-6278-8059 ファクス:03-3544-0505 |
【リンク】居住サポート住宅運営事業者等の募集ページ/中央区都市整備部住宅課
■当日の模様(中央区住宅課・地域福祉課インタビュー)
大きい組織が同一の課題に複数の部門が関わり、課題解決へ向けて協働する際に、一般的には組織間連携の問題が発生することが多い印象がありますが、居住サポート住宅を管掌する皆さん(住宅課及び地域福祉課)においては、とても良好なチームワークが築かれています。
住宅政策における区内の課題では、地価高騰などの要因による社会的弱者への住まいの確保は、慢性的な課題であり、サービス付き高齢者向け住宅や、セーフティネット住宅の整備・促進の難しい問題に対処しなければなりません。
また、支援を必要とする区民に対して、多職種間で連携して複合した生活課題の支援を実施する窓口として、一昨年「ふくしの総合相談窓口」が設置されましたが、『日々相談者からのニーズが多角化しており、相談員の相談能力の向上が重要』であると言います。
居住サポート住宅は、住宅を整備する事業者の方々にとって経済的メリットも感じてもらえる制度とするため、中央区では積極的に補助事業を推進していく計画です。
■課題と今後の展望
●ビジネスの安定と地域貢献の双方の実現を目指す
居住サポート住宅は、制度の施行後あまり時間が経過していないこともあり、社会的な需要が非常に高い一方で、不動産オーナーへの認知度が十分ではなく、登録戸数の確保に課題があります。
宅地建物取引業者が、当事者や関係機関へ働きかけを行うことによって、地域において居住サポート住宅及び補助制度の活用を広く知っていただき、公益に資する地域貢献へとつながる未来を期待するところです。
~誰でも笑顔になれる中央区を目指して~
(文責:広報公益委員会)


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