今回は、昨年に引続き中央区内で実施された『イナっこ教室』の活動現場に行った際の模様をお伝えします。

イナっこ教室とは、中央区社会福祉協議会が主催するもので、小学生から大人までの幅白い方を対象としてプログラムです。区内の小学生を中心に、ボランティア活動に興味・関心を深めてことを狙いとした参加・体験型の教育プログラムです。

イナっこ教室は、中央区内で活動するボランティア団体等の活動現場を参加者が訪問しますが、コロナ禍による行動制限が厳しかった昨年も、安全配慮のもと開催されました。今年はより一層イナっこ教室対象のプログラムも増え、ボランティア活動全体の周知活性化が期待されています。

 

(今回の教材:点字器セットと点字一覧表)

 


 

【ご協力頂いた方】
○中央区点字友の会 代表 鈴木 英子 様

○中央区社会福祉協議会ボランティア・区民活動センター主事 穂積 昂幸 様

【取材場所】
○中央区立福祉センター3階会議室(東京都中央区明石町12-1)

【取材日時】
○令和5年8月2日(木)10時00分~12時00分

 

■夏休み福祉・ボランティア体験『イナっこ教室』

中央区社会福祉協議会ボランティア・区民活動センターでは、学校の夏休み期間中に、区内福祉施設やボランティア団体等の協力を得て夏休み福祉・ボランティア体験を実施しています。

「イナ」は出世魚「ボラ」の幼名で、この体験をきっかけに大きな「ボラ(ンティア)」になってほしいとの願いを込めています。夏休みを利用してのボランティア活動は、さまざまな人々との出会いの中で、社会への関心を深め、福祉について学ぶ良い機会となり、地域社会における子どもの育ちのためにとても良い経験になります。

●主な活動メニュー

点字、手話、車いすなどの福祉体験学習・高齢者宅への配食サービス活動・高齢者・障害者施設、児童館、保育所・認定こども園、子どもの居場所「プレディ」での活動など・ボランティアグル—プ活動への参加〈令和元年度参加者数〉148人(活動延人数295人)

 ●イナっこ教室のイベント概要

○タイトル:夏休み福祉・ボランティア体験「イナっこ教室2023」

○主催:中央区社会福祉協議会ボランティア・区民活動センター

○活動期間:7月21日(金)~8月31日(木)※活動先によって実施日時、日数が異なる場合あり。

○場所:中央区社会福祉協議会会議室ほか区内複数拠点

○申込期間:7月11日(火)~7月31日(月)17時まで(必着)

○申込方法:中央区社協webサイト掲載の申込書に記入の上郵送。

○対象:中央区在住・在勤・在学の小学生から大人の方で福祉やボランティアに興味関心のある方

○費用:無料(ボランティア保険料350円・交通費・食事代等の実費は参加者負担)

【リンク】「イナっこ教室2023」(中央区社会福祉協議会)紹介webサイト

 

(夏休み福祉・ボランティア体験 イナっこ教室の案内チラシ)

 

 

■中央区点字友の会の概要

中央区内で「点字」を打ってみたい「点字」について知りたい人たちに気軽に点字について知る機会と仲間で点字について活動する居場所づくりを行っているボランティア団体です。

●主な活動

○点訳活動:雑誌のエッセイをはじめ、単行本やリーフレットなど視覚障害者の依頼に応じて点訳しています。また中央区社会福祉協議会の情報誌「中央区社協だより」の点字版も年5回発行しています。

○福祉体験講座:中央区内の小中学校・高校や児童館などに行って、点字体験

講座を行っています。夏休みの「イナっこ教室」や秋の「中央区健康福祉まつり」にも参加しています。

●団体概要

○名称:中央区点字友の会

○代表者:鈴木英子様

○設立:1996年1月

○主な活動場所:中央区福祉センター

○主な活動日時:原則毎月第一水曜日の14時~16時

 

(点字一覧表)

 

 

■当日の模様

今回のイナっこ教室は、中央区で長年活動をしており、認知度の高い点字友の会主催の事業ということもあり、猛暑の中たくさんの親子の方々が参加していました。当事者である講師の先生方は、地域セミナーでの講演も豊富なベテランで、点字についての知識を参加者の子どもたちにわかりやすく丁寧に教えていました。

【第一部】はじめに

  ●授業の目標

  1. 視覚障害者の生活の理解
  2. 点字体験
  3. 視覚障害者へのサポートの理解
  •   ●授業での約束事
  1. 名前を名乗ってから発言する
  2. はっきりとした声で話す

【本論】点字に関する基礎講話

  •   ●視覚障害についての概論
  1. 障害全般について
  2. 当事者の障害体験談
  3. 肢体不自由とは
  4. 聴覚障害とは
  5. 晴眼者と視覚障害者との見え方の違い
  •   ●点字についての基礎
  1. ルイ・ブライユが軍隊の暗号を改良し6点点字を考案
  2. 東京盲唖学校教師の石川倉次が日本語に適した点字を考案
  3. 「め」は6点黒字
  4. 身の回りにあるいろいろな点字

【第三部】ワークショップ(点字体験)

  1. 機材を使う(点字器・点筆・点消棒)
  2. 自分の名前を書いてみる
  3. お父さんお母さんの名刺に点字を書いてみる

【第四部】質疑応答と補足

  1. パソコン点訳について
  2. 視覚障害者の困りごとについて
  3. 白杖歩行について

(授業風景)

(会場の中央区福祉センターが入る中央区保健所等複合施設)

 

 

~誰でも笑顔になれる中央区を目指して~

 

文責:中央支部広報公益委員会