今回は、5月30日(月)社会福祉法人中央区社会福祉協議会(中央区社協)が運営する「成年後見支援センターすてっぷ中央」を訪れ、事業の内容や昨今の話題などを伺ってきた模様をお伝え致します。
この成年後見支援センターすてっぷ中央は、区内にお住まいの高齢者や障害者の方々に対して金銭管理や福祉サービスの利用等を支援するサービスから、その後の成年後見制度の利用に向けた支援を実施するなどの幅広い活動を行っている組織です。
【今回ご協力頂いた方】
○社会福祉法人中央区社会福祉協議会 成年後見支援センターすてっぷ中央
センター長 岸 雅典 様
支援員 片桐 義晴 様
■成年後見支援センターすてっぷ中央について
○中央区社協について
これまで何度も取材・地域活動等でお世話になっている中央社協ですが、社会福祉協議会は、地域福祉を推進することを目的に社会福祉法に基づき設立された社会福祉法人で、地元の区民や町会・自治会、各団体、企業および行政などの方と連携し、誰もが住み慣れた地域で安心して快適な暮らしができるよう、各種の地域福祉活動を行っている組織です。
○成年後見支援センターすてっぷ中央について
【事業所概要】
・事業所所在 中央区八丁堀4-1-5(中央区社協本部1F)
・開設時期 2000(平成12)年4月
・事業内容 ○権利擁護支援事業○成年後見支援事業
同センターは、区内にお住いの高齢者や障害者の方で社会的支援が必要な方に対して安心して日常生活を送れるよう支援する組織です。
○権利擁護支援事業と成年後見支援事業
権利擁護支援事業は、「地域福祉権利擁護事業」の事であり(国では平成19年度から日常生活自立支援事業との名称に変更)、第二種社会福祉事業に定められた制度ですが、東京都では旧名称をそのまま使用しています(事業の略称は「地権」)。
この制度は、介護保険制度導入前に福祉サービスが「措置から契約に」変化した流れに応じ、各種福祉サービスの契約行為を支援する事業として誕生しました。
サービスの対象者は、成年後見制度を利用するほど判断能力が低下してはいないが、自立生活には若干不安がある方としており、主に「日常的な金銭管理のサービス」や「各種福祉サービスの利用」を有償でサポートする内容となっています。
成年後見支援事業は、権利擁護支援事業でサービスを受ける状態(不安はあるがある程度自己判断もできる)から虚弱化・様態の変化が進み、成年後見制度を利用しないと日常生活が送れなくなった方などを対象としています。
すてっぷ中央が、組織として直接後見事務を担うというよりは、後見制度利用までの手続きの支援や、弁護士・司法書士・社会福祉士等の専門職の後見人の方と連携をして、本人が制度利用中の側面支援を行う等の事業内容となっています。すてっぷ中央としては、具体的に次のようなサービスを実施しています。
- 成年後見制度利用に関する弁護士等による専門相談の実施
- 所得や資産が少ない方などに対して費用助成の実施
- 成年後見人の業務を監督する後見監督人
■すてっぷ中央の特徴とは?
○広域ではなく地域密着で行う
地権事業は、平成11年10月に国庫補助事業として都道府県社会福祉協議会を実施主体としてスタートされましたが、当初東京都では、近隣数区を一つのブロックとした広域体制でサービスを実施していました。
ところが、広域で実施するサービスの課題(地域の文化・特徴が分らない)が出てきたため、中央区では、それら課題を解決するため区内をサービス対象と定めた「権利擁護支援センターすてっぷ中央」を平成12年4月に設置し、その地域密着の流れが現在まで続いております。
○成年後見支援事業も合わせて行う
先に述べたとおり、権利擁護支援事業と成年後見制度の対象の方には違いがあります。そのため、(サービス利用者)本人に様態変化の変化があった場合にはすてっぷ中央では支援できなくなるケースもありました。
この様にサービスの中止などを無くため、すてっぷ中央では、平成17年から成年後見制度利用支援事業を付加し、名称を権利擁護センターから成年後見支援センターに一部変更しました。これにより、切れ目のない支援を出来る様な体制になっております。
■すてっぷ中央が力を入れている事業
○社会貢献型後見人(市民後見人)の養成
市民後見人とは、親族でも専門職でもない区民の方の後見人を指します。市民後見人を養成・増やしていく流れは、東京都全体でも積極的になっています。すてっぷ中央では、地元の方で志がある方などを養成していく事業に力を入れていますが、面接・座学・現場実習など、かなり専門的な養成プログラムを経て初めて「社会貢献型後見人」として第一線で活躍する事になります。
○弁護士専門相談
先程も触れましたが、すてっぷ中央では成年後見制度の利用や遺言・相続に関する相談その他について、専門の弁護士が無料で相談対応する機会も設けています。
○出前講座談
すてっぷ中央では、制度や事業内容の説明のための無料での出前講座(地域の団体等の元に説明会へ赴くイベント)も実施しています。
■今後力を入れる事
すてっぷ中央では、地権事業・成年後見制度の理解のためのPR活動や、地域への出前講座の実施等の活動で、地域への周知活動に力を注いでおります。しかし、今回のインタビューではまだまだPR活動に力を入れていきたいとおっしゃっていました。
以前取材させて頂いた中央区地域福祉活動計画でも述べている通り、PR活動やアウトリーチはホットなテーマとなっています。
みんなで「働きやすく、住みやすい、誰でも笑顔になれる中央区」にしませんか?
(文責:広報委員会)