横の繋がりを武器に、安全かつ安心してもらえる取引を目指す

| 社名 | 合同会社DH |
|---|---|
| 代表 | 髙野 隆一さん |
| 所属支部 | 中野・杉並支部 |
| 加入年 | 2025年 |
合同会社 DH代表社員 髙野 隆一さん(東京都中野区)

東京都中野区若宮に拠点を構える合同会社DH、2025年3月に設立された不動産会社で、同年8月に全日本不動産協会(以下、全日)東京都本部へ入会したばかりの新しい会員です。
代表社員の髙野 隆一(たかの りゅういち)さんは、売買仲介を手がける東急リバブル株式会社や、仲介・買取再販事業の株式会社ATOMで経験を積んだのち独立。2025年8月に全日本不動産協会東京都本部へ入会しました。
宅地建物取引士資格を保有し、独立初期から実務を支えるネットワークづくりを意識して活動しています。
教職志望から一転して業界へ
――もともと教職を志していたそうですが、なぜ不動産業界で働くことを選んだのでしょうか?
先生になりたくて大学に進学したんですが、不動産会社で働いている友人からいろいろ話を聞いているうちに、大変そうだけど何か楽しそうだなと感じてしまって。
もしかしたら自分には教員よりも不動産業界が合ってるんじゃないかと感じて、大学を中退して飛び込みました。
教員になることは両親の希望でもあったんですが、頭を下げて自分の決意を話したところ、「お前がそこまで言うんなら」と、最終的には背中を押してくれました。
――不動産業界で、苦労したことがあれば教えてください。
不動産の専門用語が全く分からなかったことです。用語と意味を覚えるのにとにかく苦戦しましたね。
先輩との会話や書類などで分からない単語があると、先輩に尋ねたり自分で調べたりしました。
――宅建取得のために勉強をされたと思うのですが、勉強の仕方でこれは役に立ったなというのはありましたか?
宅建取得に際しては、用語などの意味合いは当然知識として持っていたんですけれども、ちゃんと問題文を咀嚼して、正しい答えを導き出す能力の方が大事なのかなって思いました。
教員を目指してた頃の勉強のやり方が役に立ちましたね。ちなみに、しっかり勉強した期間は1ヶ月くらいでした。
一人でできることには限界がある。誰かと一緒ならきっと乗り越えられる
――どうして「DH」という社名にされたのでしょうか。
「DH」は、野球用語で「指名打者(Designated Hitter)」という意味です。
検索してみたら野球人口って非常に多いらしいので、指名打者、DHっていう言葉は浸透させられると思いました。
ブランディングって言ったらちょっとおこがましいですけれども、売主さん、買主さんの指名打者として、大手の不動産会社と変わらない内容で安全安心にお取引できることを目指しています。
――お店の内装が素敵ですね。これはどなたが手掛けられたのですか?

内装工事は、今の場所を借り受けたときに、内装業を専門とする会社を経営する友人にお願いしました。
このとき、人は何をするにも1人ではやはり限界があると、改めて感じました。
――独立前に何か不安はありましたか?
独立を決めた際、同じ業界で経営や業務を経験したので、大きな不安はありませんでした。
どちらかというと、「独立したらやりたいことができる」という期待の方が大きかったんです。
ただ、一番のネックはやはり金銭でした。実務は宅建を取得するまでできないので、法人立ち上げから宅建取得までの5ヶ月間は本当に大変でした。
もちろん、いろいろとお金がかかることは理解も覚悟もしていたのですが、毎月の生活費や子どもの学費、資格取得や法人継続のための費用も合わせると、予想していたよりも結構多くのお金が飛んでいきました。
――独立開業に向けて、どんなことに注力されたのでしょうか?集客で何か工夫されていることがあれば教えてください。
開業にあたり、資金の準備を重点的に進め、自己資金だけでは足りなかったので、日本政策金融公庫からお金を借りましたね。
やはり独立を考えるなら、ある程度金銭的な余裕を持っておいた方がいいと思います。
また、企業に強い税理士さんから資金調達の方法を教わるなど、多方面で指導いただきました。
不動産会社を開業するのであれば、企業に強い税理士さんと繋がることが大切です。
集客に関しては現在、自社サイトを活用した集客に力を入れています。
今後、SEO対策を施して上位表示を狙うべく、自社サイトとは別にランディングページ(LP)を作成し、専門業者と打ち合わせを進めています。
「不動産 離婚」「不動産 中野区 任意売却」といったさまざまなキーワードで検索した際に上位に表示されることで、弊社に相談をいただく機会を増やそうとしていて、11月頃のスタートを目標にしています。
相続や任意売却といった分野は、ある程度の経験と専門知識が必要だと考えています。これまで培った知識と経験を強みとして活かしていきたいです。
お客様の笑顔が最高の喜び
――全日を選んだ理由をお聞かせください。
東急リバブル時代に使っていた契約書類がFRK書式だったことから、同じ書式を採用している全日を選びました。
また、ご面談いただいた協会の方の対応やラビーネット、契約書式、加盟にかかる費用の安さ、加盟後の手厚いサポート体制も決め手となりました。
――全日が実施している研修の中で、何か参加されましたか。
入会してまだ数ヶ月なので、法定研修しか参加できてませんが、全日からは紛争事例やトラブル事例を時折共有いただいてるので、紛争防止やトラブル対処の研修には参加したいと思ってます。
以前勤務していた不動産会社では、企業のお客様が主要取引先だったので、トラブルに巻き込まれることがあまりありませんでした。
今後直面することがあるかもしれないので、学んでおきたいですね。
――これまでのお仕事の中で、最も達成感を味わった案件はありますか?
私が今まで取引した中で一番印象に残ってるのが、諸事情で解散することになったある組合様の案件ですね。
既に解散を決めておられて、「不動産を売却したい」とのご相談をいただき、売却活動に携わりました。
ただ、組合様は他の不動産会社さんにも依頼されてたんですよ。正直これは他の仲介会社に負けられないという気持ちが非常に強かったんです。
組合様に何とか粘り強く営業し、同僚にも力を借りて案件を着地できました。
何より、売却益を組合員の方々に分配しなくてはならないので、価格の擦り合わせが最も大変でしたね。
分配する金額ありきで調整しなければいけませんので、そうした事情を汲み取って購入していただいた買主さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
土地を売るときは、本当に売れるのかなとか、希望した金額で売れるのかなとか、いつ売れるのかなとか、いろんな不安を抱えながら売主さんは売却活動をされています。
仲介業者の役目は売主さんに寄り添い、希望を叶えることにあるんだと改めて感じました。
――普段の接客の中で、喜びややりがいを感じるのはどんなときですか?
無事に取引が完了したときの、お客様の安堵した笑顔が一番ですね。もう最高です。
やらない後悔よりやる後悔。人とのつながりを大切に
――サラリーマン時代と比べて、働き方に何か変化はありましたか?
息子と会話したり一緒に過ごしたりできる時間が増えたことです。
自宅から近いところにオフィスを設けたので、これまでかかっていた通勤時間がなくなったし、父子家庭ですが、息子も高校2年生でほとんど手はかからないので、自分で仕事の量を調整できるようになりました。
――今後、何か挑戦してみたいことがあれば教えてください。
まずは安定した経営基盤を築いて、将来的にはBarを開きたいと考えています。
私自身、お酒が好きということもあるのですが、不動産業界ではお酒を飲みながら仕事の話をすることが多いんです。
また、仲介会社同士が知り合う機会がほとんどないなと、過去の経験から感じていました。
そこで、そうしたコミュニティの場を作るためにBarを開きたいと考えていて、現在は週1〜2回ほどバーテンダーのアルバイトもしています。
――これからの会社のビジョンをお聞かせください。

今は1人で会社を経営していますが、できれば人を増やしたいなと思っていて。
ただ、私の考えに共鳴してくれる人、私と同じ目線に立って、同じ思いでいてくれる人だったらうれしいですね。
Barの経営ももちろんやりたいことの一つではあるんですが、不動産業に繋がることとして、古物商の許可を取ってブランド品の売買もしたいと考えています。
例えば、実家じまいの際にご実家に眠ったままのブランド品の買い取りついでに、土地や建物の売却のご相談にも乗るみたいなイメージです。
本当にやりたいことはたくさんあります。
自分自身が楽しく仕事をすることが今の私のテーマで、楽しそうに仕事をしている私の姿を見れば周りの人も楽しくなるだろうし、逆に周りの人が楽しそうにしていれば、私も嬉しいですね。
異業種参入者へのアドバイス — 横のつながりが安全な取引を支える
――他業種から不動産業へ参入を検討している人にアドバイスをお願いします。
これまで携わった多数の案件から得た知識や、他社さんとの繋がりから得られる情報が、現在の仕事を支えていると考えています。
不動産業界では、異業種を経験してきた人ならではの違った視点が有利にはたらく可能性があると感じます。
入会したら、繋がりができる機会が多いので、新たにできる横の繋がりや全日のサポートを活用しながら、安全安心な取引を目指してください。
――入会を検討している方にメッセージをお願いします。
あまり無責任なことは言えませんが、「やらない後悔よりやる後悔」でしょうか。
是非、思い切り飛び込んでみてください。
それと、1人でできることには限界があります。
また、不動産業に限らず、どんな仕事でも人との横の繋がりを大切にして、感謝することが重要です。
全日の先輩方やこれから加入される方々と連携を取り、1つのチームとして関わっていけたらと考えていますし、安全で安心の取引ができるよう一緒に活動していきましょう。





