積み重ねた経験と文化の違いを強みに。旅行業から広がった不動産業

社名 シティキャリアコンサルタント合同会社
代表 陳 乃華さん
所属支部 豊島・文京支部
加入年 2024年

シティキャリアコンサルタント合同会社 代表 陳 乃華様(豊島・文京支部)

東京都豊島区に拠点を置くシティキャリアコンサルタント合同会社は、2024年1月1日に設立し、同年に 全日本不動産協会東京都本部(以下、全日)に入会した不動産会社です。

代表は、台湾出身の陳 乃華(チン ナイホア)さん。日本で学生時代を過ごし、卒業後は旅行関連の会社を立ち上げ、2024年からは不動産業も営むようになりました。

不動産業では、土地や建物の仲介・売買、賃貸物件の管理、店舗・住宅のインテリアコーディネート企画など、幅広い事業を展開しています。

コロナ禍を機に選んだ、「不動産業」という次の挑戦

━不動産業を開業したきっかけを教えてください。

私はもともと旅行関連の会社を運営していたのですが、新型コロナウイルスが流行して需要が減少したことをきっかけに「旅行業だけで大丈夫かな」と思い、不動産業を開業しました。

不動産は、生活に欠かせないものです。私は台湾出身ですので、台湾と日本を繋げることができればと思い、不動産の賃貸・売買の媒介や、コンサル業務を行うようになりました。

現在は主に、海外在住や日本在住の外国人に、賃貸物件の媒介をしています。

━不動産業を開業する前、不安なことはありましたか?

不安なことはなかったですね。開業する前から、「分からないことがあっても 全日の豊島・文京支部に教えてもらえるから安心だな」と思っていました。

日本の不動産を取り扱うには、その土地や地域に根付いた人脈が必要ですが、旅行業は38年続けています。既に人とのつながりもできており、集客の面でも心配なことはなかったです。

旅行業の延長線上で不動産業も開業したため、想定外の事態も発生せず、スムーズに事業を始めることができました。

━不動産業を開業するにあたって、どのような準備をされましたか?

最初は、旅行会社の一部として始めようと思っていました。しかし、別会社にした方が良いということで、自分で情報を調べることはもちろん、司法書士の先生や周囲の不動産業界の知り合いに相談しながら準備を進めました。

また、当初は宅地建物取引士の資格を自分で取ることも考えていたのですが、実際に仕事をしてみると、実務を経験しながら学ぶ方が理解が深まると感じるようになりました。

そこで、 私の場合は資格取得を急ぐのではなく、まずは仕事を通じて経験を重ねることを優先することに。現在は、宅地建物取引士の資格を持つ従業員も在籍しており、専門的な知識が必要な場面ではしっかりと対応できる体制を整えています。

今までの知り合いからの紹介や、全日本不動産協会のつながりで来てくれた人もいて、順調に不動産業を営むことができています。

━スタッフの採用・教育はどのように行っているのですか?

スタッフは、台湾出身と日本出身の人が多いです。台湾出身のスタッフは旅行業でつながりがあった人で、今のところ採用試験のようなものを行ったのは日本出身の人だけです。

会社で働いているのは中途採用の人であるため、前職の経験を活かしながら、自分の力で業務を進めてもらっています。

いろんな国の人が同じ場所で働いていますが、特に困ったことはありません。責任感が強い人ばかりで、職場の雰囲気も明るいですよ。

全日への入会の決め手は「人」―入って実感した団体の価値

━全日に入会する決め手は何でしたか?

開業する前に不動産業の先輩からいくつか不動産の業界団体を教えてもらい、実際に電話をかけて資料請求をしました。

全日に 入会する決め手になったのは、電話の対応がとても親切だったからです。

実際に加入したら、研修会の案内が届いたり、支部長からの挨拶があったりして、「ここまでしっかりフォローしてもらえるんだ」と感じました。

あと、全日の マスコットキャラクターのラビーちゃん 、かわいいですよね。

━全日の会員になって良かったと感じる点を具体的に教えてください。

どのサポートやサービスも、実際に不動産業の仕事をするときに役立っています。特に魅力を感じているのが、いろんな研修会や交流会に参加できることです。

他の会員の方と情報交換ができ、人のつながりをどんどん増やせます。買取業者の方もいて、「不動産業界にはいろんな業態があるんだな」と学びになるため、研修会や交流会には積極的に参加しています。

ほかにも、分からないことは支部に連絡すると教えてもらえるのもとても助かっています。おかげさまで、楽しくスムーズに仕事ができています。

━全日の研修会に参加してみて、印象に残っていることはありますか?

以前参加した研修では、若い方が活躍している姿を目にして、「すごいな」と刺激を受けました。宅建業の 研修に何度か参加するなかで、不動産営業に携わる方々はスマートで、業界全体の印象がさらに良い方向に変わっていったのを覚えています。

特に印象的だったのは、講習の司会を務めていた方です。宅建試験の勉強でもお世話になった方で、明るく、分かりやすく話をまとめる力があったことが今も心に残っています。後日参加した新年会では、その方とお話しすることができました。

━全日の研修会や会員ネットワークなどで、実際に役に立ったことはありますか?

全日の研修会で扱われる内容は、どれも自分にとって新しいことばかりです。一つひとつが実務に直結するものなので、「どれも必要な知識だ」と感じ、しっかり吸収しながら日々の業務に向き合っています。研修会全体の雰囲気も前向きで、参加者が積極的に情報を交わしているのが印象的でした。

一方で、入会してからまだ日が浅いため、全日 や会員同士のネットワークを十分に活かしきれていない部分もあります。現時点では、情報交換を重ねながら学びを深めている段階です。学んだことを実践に落とし込みながら、着実に経験を増やしていきたいと思っています。

やりがいと現実、その両方がある不動産業という仕事

━集客はどのような方法で行っているのですか?

旅行業で知り合った人を中心に、不動産業の集客をしています。ターゲットは、日本の方と外国の方の両方です。

今のところ広告は出していませんが、将来的には新聞広告やWeb上で集客する必要があると感じています。

━開業後に感じた不動産業の楽しさや、印象に残っている出来事はありますか?

最初は不動産業界について具体的なイメージがなく、感覚的に「かっこいい仕事だな」と思っていました。実際に仕事として関わってみると、不動産業は想像以上に楽しく、ワクワクする仕事だと感じるようになりました。

良い物件を紹介したり、お話を伺いながらお客様の思いを形にしたりしていく中で、人の夢をお手伝いできるところに大きなやりがいを感じています。そのため、日頃からお客様との信頼関係を大切にし、お客様の立場になって物事を考えることを意識しています。

以前から携わっている旅行業も学びの多い仕事ですが、不動産業はよりスムーズに進められる場面が多く、前向きな気持ちで取り組めるのも魅力ですね。

━今までの業務で、達成感を感じた場面を教えてください。

達成感を感じたのは、お客様に満足していただける物件を紹介できたことと、再建築不可などの訳あり物件を自分で購入し、賃貸物件にして家賃収入を得られるようになったことです。

訳あり物件を賃貸物件にして貸し出す方法は、開業当初は考えておらず、実際に仕事を始めてから検討するようになりました。訳あり物件は、売買で仲介するには難しい点もありますが、視点を変えて賃貸として活用すれば、価値を生み出せると気づいたのがきっかけです。

もちろん、物件にはそれぞれ欠点もあります。ただ、「それでも良い物件だ」と判断できる場合は、思い切って購入することも。自分で活用方法を考え、実際に家賃収入につながったときは、大きな達成感を得られました。

━不動産業を営むなかで、困ったことはありましたか?

中国の方から、「オフィスとして使う物件を借りたい」という相談を受けたときの出来事です。条件の良い物件が見つかり、お客様自身も前向きだったものの、「外国人だから」という理由でお断りされたケースがありました。お客様が「良い」と感じている物件であっても、契約に進めないことがあるのは残念に感じました。

また、売買の場面では、物件の所有者が海外に住んでいるという理由で、購入希望者が日本在住でも住宅ローンが組みにくくなるケースもありました。

ただ、そうした状況でも、代わりとなる銀行を探して紹介することで、無事に話を進めることができました。課題に直面したときこそ、選択肢を一つに絞らず、別の道を探すことが大切だと思います。

━不動産業を営むなかで、残念だったことはありますか?

お客様に物件を紹介したとき、建物の管理組合から「外国人には売らない」という判断を示されたことです。お客様は別の不動産業者を通じて、ほかの物件を購入されました。

「売れない」「貸せない」と言われたときは、できる限りルールや理由を確認するようにしています。ただ、詳しい説明が得られないことも多く、「これは決まりとして受け止めるしかないのだろう」と感じることも。永住権を取得していることを伝えても、判断が変わらないケースもありました。

以前は、貸主に直接会うことで理解を得られる場面もありましたが、最近はそうした対応が難しくなり、結果として断られるケースが増えている印象です。

売買や賃貸の仲介が難しい場合は、その物件に無理にこだわらず、気持ちを切り替えて別の物件を探すようにしています。思うように進まないこともありますが、「いろいろなことがあるのが不動産の仕事」と受け止め、次に向けて動くことを大切にしています。

日本という環境で働くなかで感じた、文化と言葉の違い

━日本でビジネスをするなかで、文化の違いで驚いたり苦労したりしたことはありますか?

印象的だったのは、日本の人はあまり物事をはっきりと言葉にしない人が多いことです。相手の考えを正確に汲み取るために、何度も確認を重ねる必要があり、その点に文化の違いを感じることがありました。

もちろん、はっきり言わない姿勢は、日本ならではの美徳でもあると思っています。ただ、ビジネスの場面では、認識のズレを防ぐためにも、考えや条件を明確に伝えることは大切だと感じています。

私自身ははっきりと伝える対応を心がけており、日本人のお客様からは「説明が分かりやすい」「判断しやすい」と好評です。

━日本で仕事をするなかで、「ここが難しいな」と感じることはありますか?

日本で仕事をするなかで難しさを感じるのは、やはり言語の部分です。仕事をするうえで、日本語と中国語の両方ができることは大きな強みですが、同時にそれが不利に働く場面もあります。

日本語をスムーズに話せないことで、自分の意志を十分に伝えられず、うまく言葉にできないときは悔しさを感じることも。そういうときは、相手に分かってもらえるまで、じっくり繰り返し説明するようにしています。

━日本の不動産業界で「もっとこうなってほしい」と感じることはありますか?

国の制度など、決まりのなかで不動産業を営めたら良いと考えているため、「こうなってほしい」と感じることはありません。もし「外国人に売らない」という方針が示されても、その方針に合わせながら活動できたらと考えています。

不動産業の仕事が短いからか、「もっとこうなってほしい」というものはなく、現在の日本の不動産業界には満足しています。

日本の不動産業界で、これから実現していきたいこと

━不動産業界で今後チャレンジしたいことや夢はありますか?

自分で土地の購入から開発までをすべて行い、売り出すことをやってみたいです。私は日本と台湾の両方の文化を知っているので、日本の良いところを守り、日本の人には外国人の優しさを感じてもらいながら、みんなが楽しく過ごせるような環境を創っていきたいです。

━日本で不動産業を始めたい外国人の方へ伝えたいことは何ですか?

日本の法律・文化・国民性を把握し、ルールを守れるようにすると、不動産業はすごくやりやすいです。

日本人の国民性を知るには、コミュニケーションを取ったり先輩と話したりしながら成長していくことが大切。分からないことがあれば、ぜひ先輩に尋ねてみてください。

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